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2019-04-12

今治北高写真部「民家の甲子園」受賞作品展

汐見の家、初の写真展を開催します。お気軽にお立ち寄り下さい。

連休に汐見の家を撮らせて下さい。と連絡があったのは昨年の4月26日でした。5月4日と6日に来島し、生徒さん4名と先生で春たけなわの佐島と島四国を巡られました。

旧暦で行われる佐島の島四国が休日に当たるのは珍しく、また、汐見が開業二周年の感謝を込めて、数十年振りにお接待を復活したその日に巡り合わせたのです。

礼儀正しく島の皆さんにご挨拶し、真剣なまなざしで写真を撮る生徒さん達、熱心に指導される三好先生の姿も尊い光景でした。

今治北高の作品は、民家の甲子園全国大会で「民家大賞(金賞)」「文部科学大臣賞」、越智菜月さん撮影の作品2「ぼくらの番」は愛媛県予選の「最優秀個人賞」を受賞しました。

この度、3年越しの念願だった汐見の長屋門の修繕を終え、初めての展示として受賞作品をご紹介出来るのも巡り合わせの不思議です。

大会では学校ごとにステージに立ち、その年のテーマに添った5枚の写真を7分間でプレゼンテーションします。

2018年のテーマは「巡」。写真と共にプレゼン原稿を展示しました。ごゆっくりご観覧下さいませ。

Special Thanks to
松本 啓介様
竹林 清志様 (竹林写真館)
民家の甲子園愛媛県大会実行委員会様

(民家の甲子園 今治北高作品)

穏やかで美しい瀬戸内海。

古くから海運の大動脈として多くの船が航海し、島から志高き先人たちが世界を目指して海を渡った。

そして今島々をしまなみ海道、ゆめしま海道がつないでいる。歴史と文化のある場所。自然と科学技術の幸福な共存。

私たちは海を渡り、佐島の古民家宿「汐見の家」を訪れた。

門をくぐると、太陽の光を浴びた真っ白いシーツが迎えてくれた。

作品1 ここに集う

家主の西村さんは長い間無人となっていた母方の実家を処分するつもりで、六年前三十年ぶりに佐島を訪れた。

しかし家の佇まいや島民の優しい人柄に触れ、また先祖の軌跡を辿る中で、再生に舵を切り替えた。

地域の方々からいただいたものがこの宿で共に暮らし、旅人を迎えている。

作品2 ぼくらの番

瀬戸内の島四国遍路。佐島では自然の巡りに合わせて旧暦の三月二十一日に行う。

汐見の家を見守ってきたお大師様。子どもたちが笑顔でお接待する姿を見て幸せな気持ちになった。

作品3 手から手へ

かつての保育所を東京から移住してきた女性二人が、くつろげるカフェを目指して改装中。

島の空き家にあった木箱は本棚となり、命をつないでいく。
誰かが持ってきた本を誰かが手に取り、人と本が巡り合う。

作品4 心を込めて

暮らすように旅をする。

旅人がゆっくり休めるようにと一枚一枚シーツにアイロンをかける

作品5 ここに集う

島の夜は静かだ。

その中で汐見の家から笑い声が聞こえてくる。
同じ時代を生きる人たちがここで出会い、集う。

地域と家族の暮らしを記憶している古民家は、新しい記憶を刻みこれからも生きていく。家族の家からみんなの家へ、新しい古民家の姿を感じた。

地域の方に支えられて、不思議なご縁のお陰で再生できましたと西村さんはいう。
思いを共有し、時代に合わせた民家の形を探しながら地域全体で守っていくことが大切だと思う。

季節の移ろいの中で、人と共に生きる民家の姿をこれからも撮り続けたい。

©️民家の甲子園

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